ビッグデータで見る まち別訪日外国人滞在の実態

株式会社インテージリサーチは、自主企画調査として携帯電話のローミング情報を使った訪日外国人滞在の実態を分析しました。
本分析は、2014年11月に訪日した外国人の滞在場所を、居住国別、時間帯別に分析地域ごとにまとめたものです。

PICK UP

  • エリアによって来訪する国の違いがわかる。中央区は中国、台東区は台湾。鎌倉市ではタイが多く、「東京に近く、大仏がある」ことが理由と考えられる。
  • 時間帯別の変化を見ると、台東区は、中国からの来訪者にとっては「昼間訪れる場所」、台湾からの来訪者にとっては「宿泊場所」と推測される。

分析概要

調査方法モバイル空間統計
調査地域東京都:港区、渋谷区、中央区、台東区 神奈川県:横浜市中区、西区、港北区、鎌倉市、箱根町 ※訪日外国人が多く、特徴があると想定したエリアを任意に選定した
調査対象者調査該当期間に調査地域に滞在したと推計される訪日外国人(21,486人/1日平均)
サンプル構成-
調査期間2014年11月1日~30日※抽出しているデータは2014年11月に滞在した訪日外国人を各時間で平均したもの
調査内容-
調査実施機関株式会社インテージリサーチ
分析者銭谷 恭子(ソーシャル事業推進部研究員)

考察

携帯電話のローミング情報を使い、『宿泊統計』では捉えきれない昼間の訪日外国人数を推計し、自治体単位で国別、時間帯別の傾向を把握することができました。
例えば、分析した自治体の『訪日外国人滞在人口における国別割合』をみると、中央区では中国が多いのに対し、台東区では台湾、鎌倉市ではタイなどの違いがみられました。これは、観光資源の違いによるものと推測されます。このデータについて、 INTAGE (Thailand) Co., Ltd.にヒアリングした結果、「タイでは、定期的にお寺に行く習慣があり、日本の仏教に興味がある」、「数あるお寺の中でも大仏があり、東京から近い鎌倉が選ばれているのではないか」ということが考えられます。
また、台東区を例に『時間帯別滞在人口』をみると、お昼時間(13時)に向けて滞在人口が増え、19時時点で減少した後に、0時時点で再度多くなることがわかりました。これを国別にみると、韓国は全体とほぼ同様の傾向となっていますが、中国では13時時点、台湾では0時時点の来訪人数が最も多いなど、国によって来訪状況が異なることがわかります。このように時間帯による来訪者層の違いを丁寧に分析することで、エリアごとの戦略が見えてくると考えます。

調査結果の詳細

調査結果の詳細については、こちらをご覧ください。

分析結果(一部抜粋)

各自治体における昼間時間帯の訪日外国人 国別割合

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※10時~19時に計測された滞在人口の最大値を来訪人数とし、各国の最大値を積み上げた合計値を100とした場合の各国の出現率。

台東区における時間別滞在人口(滞在人口順上位4国別)

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