全国20~69歳の未婚男女の結婚・婚活に関する調査 各世代で結婚願望、婚活実施率の男女のギャップが明らかに

株式会社インテージリサーチ(本社:東京都東久留米市、代表取締役社長:井上孝志)は、自主企画調査『結婚・婚活に関するアンケート』を実施しました。全国の20~69歳の未婚男女3553人を対象に3月30~31日、結婚や婚活に関する意識調査をインターネットで行いました。

調査結果のポイント

  • 男女とも、年齢が若いほど結婚願望がある人の割合が高い。20~30歳代後半までは女性の方が結婚願望は高いが、40歳代後半以降は逆転し、男性の方が結婚願望が高くなる(図表2)。
  • 最も行われている婚活は「自分磨き」で、20~30歳代の女性を中心に回答した割合が高い。婚活イベントやアプリ、結婚相談所への登録などの具体的な活動を開始した時期を見ると、男性は30歳代前半だが女性は20歳代後半となっており、ギャップが見られる(図表3)。
  • 自治体の行う婚活イベントについては「いつどこでやっているか分からない」という回答が多く、認知度向上に向けた取り組みや、イメージアップ等の工夫が必要だと考えられる(図表4)。

調査概要

調査方法インターネット調査
調査地域全国
調査対象者インテージ・ネットモニター 全国20歳以上69歳までの男女個人
サンプル構成平成27年国勢調査ベース(性別×年代別×居住エリア×未既婚)母集団準拠 設計数10,000サンプル
調査期間2017年3月30日(木)~3月31日(金)
調査内容結婚願望、婚活経験の有無、内容、自治体主導の婚活イベントについての考え方 等
調査実施機関株式会社インテージリサーチ
分析者花田 洋平 (公共サービス事業部 ソーシャル事業推進部)

考察

結婚願望と婚活経験は共に、20~30歳代後半までの年代で女性が男性を上回っており、結婚に対する女性の積極的な姿勢が目立ちます。しかし、40歳代後半以降は男性を下回り、女性の結婚へのこだわりが薄くなっていく様子がわかりました。

また、具体的な活動(婚活イベントへの参加や結婚相談所への登録 など)について見ると、男性は30歳代前半において最も活発になりますが、女性は20歳代後半から活発になっていきます。結婚願望だけでなく具体的な活動においても、同世代の男女間で意識や行動にギャップがあることが明らかになっています。

自治体が行う婚活イベントについては、各年代で「いつ、どこでやっているのかわからない」の回答が多くなっています。これは、取り組みは活発になっているものの、世間一般には認知度がいま一つであるといえ、まず認知度向上が課題だと考えられます。また、最も婚活を行っている25~34歳の女性のうち2~3割が「いい人が見つかるイメージが持てない」と回答しており、イベントでの成果をPRするなど、こうしたイメージを払拭する工夫も必要であると考えられます。

調査結果の詳細

結婚願望、40歳代前半までは女性が高く、50歳代以降は男性の方が高い

調査時点で結婚していない人に、結婚願望と婚活経験の有無を聞いたところ、結婚願望がある人は男性で47.2%、女性で46.1%。婚活経験がある人は男性で13.7%、女性で16.3%でした。

図表1 結婚願望の有無(性別)

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ベース:調査時点で結婚していない男性(n=1932)、同女性(n=1621)

結婚願望について、性別・年代別に見ると、20~24歳では未婚女性の75.3%が「結婚願望がある」と回答しているのに対し、男性は60.3%。年代が若いうちは、男性に比べて女性の結婚願望が高くなっています。

しかし、40~44歳を境に男性と女性の結婚願望の高さは逆転。60~64歳では、未婚男性の30.3%が「結婚願望あり」と回答しているのに対し、女性は16.8%にとどまっているなど、女性は男性以上に、一定年代を過ぎると結婚へのこだわりが薄くなることが見受けられます。

図表2 結婚願望がある人の割合(性別・年代別)

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ベース:調査時点で結婚していない男性(n=1932)、同女性(n=1621)

一番の婚活は「自分磨き」!?

結婚願望が「ある」と回答した人の婚活(結婚をするために行っていること)は、「既に交際相手がおり、交際相手と結婚したいと思っている」が21.4%と最も高く、次いで「自分磨きをしている」が17.7%となっています。婚活の実施率(「特に何もしていない」と回答した人以外)は48.9%となっています。

性別・年代別に見ると、結婚願望のある人のうち「既に交際相手がおり、交際相手と結婚したいと思っている」は、女性の20~24歳で35.4%、25~29歳では49.3%ですが、30~34歳では25.2%に低下しています。 男性は25~29歳では27.9%がこう回答しているものの、ほかの年代では20%以下となっており、交際相手に対する結婚願望にも、男女のギャップが見受けられます。

結婚に向けた具体的な活動として、「婚活イベント等への参加」、「結婚相談所への登録」、「婚活アプリ等の利用」といった行動が考えられます。これらの行動を行っている人の割合は、男性では30歳代前半、女性では20歳代後半から増加傾向が見られます。具体的な活動のピークは男女ともに30歳代前半となっており、男性は36.3%、女性は37.9%と全体と比較して約10ポイント程度高くなっています。

行っている活動の中で男女間に差が見られるのは「結婚相談所に登録している」でした。30~34歳の男性では11.8%なのに対し、同年代の女性では1.9%にとどまっており、男性に比べて女性は、あまり魅力的なサービスだととらえていないようです。

また、今回調査結果では結婚をするために行っていることとして「自分磨きをしている」と回答した人の割合が、20~30歳代の女性を中心に高くなっています。

自分磨きを「婚活」だととらえている人が多いという結果は、「人と出会ったり交流したりすることよりも、自分の好きなことをして生きたい」という考え方の表れだとも考えられ、この結果にこそ、「結婚をしなくても幸せになれるという時代」という、現代のトレンドがよく表れているといえるかもしれません。

図表3 結婚するために行っていること(性別・年代別)(複数回答)

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ベース:調査時点で結婚しておらず、結婚願望が「ある」と回答した男性(n=911)、同女性(n=747)
※「具体的な活動」:選択肢内の「既に交際相手がおり、交際相手と結婚したいと思っている」、
「自分磨きをしている」、「特に何もしていない」以外

自治体が行う婚活イベントは、イメージアップが急務

自治体が実施している婚活イベントに対する意見は、「いつ、どこでやっているのかわからない」が36.2%と最も高く、次いで「いい人がみつかるイメージが持てない」が22.5%。特に女性の20歳代後半、30歳代後半で高くなっています。

回答者全体では、マイナスイメージを表す意見が上位となっていますが、「行政の取組なので信頼できる」は全体で三位、「気軽に参加できる」は全体で四位になるなど、ポジティブにとらえる意見も少なくはありません。

自治体が実施している婚活イベントは、カップルの成立、ひいては婚姻件数の増加や出生数の増加、地方自治体においては、定住人口の増加といった効果を狙った取り組みであると想定されます。

このことを踏まえると、「いつ、どこでやっているのかわからない」(機会損失につながる)、「いい人が見つかるイメージが持てない」(参加しても成果に乏しいと見られている)といったイメージを持たれていることが、特に課題であると考えられます。

図表4 自治体が実施している婚活イベントについてどう思うか(性別・年代別)

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ベース:調査時点で結婚しておらず、結婚願望が「ある」と回答した男性(n=911)、同女性(n=747)

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